HICAREとは

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HICAREとは

会長あいさつ

会長挨拶

  放射線被曝者医療国際協力推進協議会(HICARE)は,人類で最初に原子爆弾による惨禍を被った広島が,尊い犠牲のうえに積み重ねた経験を生かし,関係機関の緊密な連携協力の下に,広島を挙げて,世界の被ばく者医療への貢献と国際協力の推進に資することを目的として,平成3(1991)年4月に発足しました。

 

  発足以来,チェルノブイリ原発事故やセミパラチンスク核実験などに伴う放射線被ばく者医療への支援,緊急被ばく医療への協力,北・南米や韓国の原爆被爆者医療従事者の養成,被爆者医療解説書の出版やシンポジウムの開催など各種の事業を実施してまいりました。

  国内においても,平成11(1999)年の茨城県東海村臨界事故や,平成23(2011)年の東日本大震災に伴って発生した福島第一原子力発電所事故に対して,専門家を派遣するなどの活動を行っております。特に,福島原子力発電所事故では,我が国で起きた原子力発電所事故の復興を支援するため,ヒロシマに蓄積した経験を少しでも役立てようとHICARE構成機関が本協議会の国際ネットワークを活用しながら様々な支援活動を展開してまいりました。

 この間,保健衛生の分野で,我が国では最も権威のある保健文化賞を受賞するなど,その活動について高い評価を受けています。

 

  また,平成24(2012)年には,HICARE創立20周年を記念し,原爆の被爆者への健康影響の解説書として高い評価のある「原爆放射線の人体影響」を最新の知見を盛り込んで全面改訂しました。さらに,平成26(2014)年には,「放射線の影響と人の健康に関わる人材の育成」の分野において,国際原子力機関(IAEA)協働センターの指定を受け,IAEAの国際ネットワークを活用した共同研究や人材育成の事業に積極的に取り組む等,新たな国際貢献を進めております。

 

  被爆75年を迎え,被ばく医療や放射線の健康影響の分野では,国際連携を駆使した協力や支援等の協働活動が不可欠になっており,HICAREの役割が益々重要になっています。

HICAREは今後とも,広島の叡智を結集し,オール広島での放射線被ばく者医療分野における人材育成および情報発信に取り組んでまいります。

 

  このホームページを,国内外を問わず,一般に方々をはじめ,医療従事者,研究者,行政関係者など多くの方々にご覧いただき,HICAREの活動について理解を深めていただくとともに,放射線被ばくに関する情報のひとつとしてご活用いただければ幸いです。

 

令和2(2020)年 8月

HICARE会長 神谷 研二