活動状況(年度別)

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活動状況(年度別)

ラトビアより研究者1名・ハワイより医師4名を受け入れ

ラトビアより研究者1名,また米国より医師4名を受け入れ, 放射線被曝者医療に関する研修を行いました。

受入研修生:

1 ローラ・コマロフスカ (ラトビア)

  リガ・ストラディン大学 衛生学・職業性疾患研究所 研究員

2 ケリー・ハッチンス (米国)

  カピオラニメディカルセンター/ハワイ大学小児科助教授

3 リン・イワモト (米国)

  カピオラニメディカルセンター/ハワイ大学 小児科准教授

4 スティーブン・J・ジョナス (米国)

  UCLA医学部 小児血液学・腫瘍学科 臨床指導医

研修期間

研修生1

 令和元年(2019) 年11月25日~12月20日

 

研修生2~4

 令和元年(2019) 年12月16日~12月20日

研修内容:

放射線生物影響研修   研修生1

放射線被曝者医療研修 研修生1~4

研修機関(研修日程順):

<11月25日~12月13日>  研修生1

 放射線影響研究所

<12月16日~12月20日>  研修生1~4

 広島市役所

 広島大学病院(高度救命救急センター)

 広島原爆養護ホーム舟入むつみ園

 広島原爆障害対策協議会

 広島大学原爆放射線医科学研究所

 放射線影響研究所

 広島赤十字・原爆病院
 その他平和記念資料館ほか視察

広島市役所原爆被害対策部 間所調査課長(中央右)と。

広島大学病院高度救命救急センターでの廣橋教授(右)による講義の様子。

舟入むつみ園で有田医師(左)による講義の様子。

広島原爆障害対策協議会健康管理・増進センター 前田亮所長(中央)と。。

広島大学原爆放射線医科学研究所で田代所長(中央)と。

広島原爆赤十字原爆病院 柏戸副院長(中央左)と。

広島大学の医学生との交流会の様子。

放影研で丹羽理事長(中央左)より修了証を授与。指導教官の林副部長(左)と濱崎研究員(右)と一緒に。

所感:

◆実際期待していた以上に多くの事を,放射線影響について学びました。どのようにリンパ球をより分け,DNAを抽出し,SNP解析,ROS分析,細胞培養をし,染色体スライド資料の準備をするかを学び,またFISH法 ―試料の準備や,染色の方法,標的染色体の見分け方など― について学びました。ギムザ染色法や染色体異常についても学びましたし,顕微鏡で分裂中期の染色体を見分ることもしました。被爆者の生物学的線量の研究について多く学びました。

 

◆毎日のように患者に放射線を用いる私の診療分野にとって,それを利用した治療用画像を作成するにあたって,またそれをがん患者の治療に用いる正当性の観点から,被ばくの急性・長期の悪影響に関する研修はまさに相応しいのものでした。被ばくの悪影響(副作用)を認識していますし,学びもしますが,原爆によって引き起こされた極端な例について知り,また肉体,感情,精神面に及ぶ重大な長期の影響について学ぶことができたおかげで新しい知見を得ましたし,どのような恐ろしい病気が引き起こされうるかという見方もできるようになりました。副作用の可能性を考慮して,患者を放射線に曝すようになる時には必要なときにだけ利用するように引き続き特に気を付けたいと思います。

 

◆養護ホームに行って被爆者にお会いしたことは最も大きな出来事で,お会いできてとても光栄でした。

研究者の方々の話もとても有用で(放射線の)影響がどれだけ広範囲に及ぶかについて理解するのに役立ちました。研究機関(RERF)や病院が直面してきた問題や,人々への心理的影響,社会援護制度についてさらに詳しく聞けたら良かったと思います。

(研修後は,)次世代と子供達への影響についてもっと学ぶつもりです。出産前の親との面談や,新生児の治療において,被曝の可能性のある場合やその他の非常に切迫した大変な状況にある場合にも,私が学んだことはどのようなことでも役に立つことでしょう。

 

◆医学研究員として,学んだ内容を大学の同僚や学生達と共有し,核兵器や核事故による被ばくの健康影響についての意識を高めていきたいと思います。そしてこれらのやりとりが刺激になって,科学的・医学的両面から日本の研究者や医師達と共同研究を行おうとする動きにつながればと願っています。