活動状況(年度別)

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活動状況(年度別)

韓国・被爆者医療従事者短期研修団を受け入れ

韓国の大韓赤十字社の協力を得て,韓国で被爆者医療に従事している又はする可能性のある医師4名からなる被爆者医療研修団を受け入れ,放射線被曝者医療に関する研修を行いました。

研修員名簿:

団 長
ソン・ミンス  仁川赤十字病院循環器内科医師
団 員
ジョン・ソンヨン  ソウル赤十字病院麻酔科医師
団 員
イム・ジヒャン  釜山医療院家庭医学科医師
団 員
カン・ミンギュ  嶺南大学病院放射線腫瘍科医師

左から:
イム(林)氏
ジョン(全)氏
広島赤十字・原爆病院呼吸器科部長(HICARE幹事) 有田健一先生
ソン(孫)氏
カン(姜)氏

期間:

平成21(2009)年7月12日~7月18日

研修機関等(日程順):

広島大学原爆放射線医科学研究所
広島赤十字・原爆病院
(財)広島原爆障害対策協議会
(財)放射線影響研究所
平和記念資料館視察ほか

所感:

【ソン・ミンス医師】
 原爆が広島と長崎に落とされたことは小学校の時に知った事実である。しかし30年以上関心があったわけでもなく,それ以上詳しい内容を教えてくれる人もいなかった。平和記念資料館で被爆当時の惨状を見て,原爆が恐ろしい具体的な理由を知ることができた。核兵器に対して反対する人達の過敏な反応が理解できるようになった。
 教育を受ける間,慢性期は急性期と比べて障害が弱くなるということ,2世に対する影響もまた少ないことが分かった。この度の研修を通じて知ることができた一番大きい収穫だと思う。生き残った被爆者達のため,献身的に努力していることもまた高く評価したい。
 何よりこのような惨事が再び起きないように努力することが重要だ。そのような気持ちを持つためには,さらに多くの人が広島を訪問すべきだと思う。

【ジョン・ソンヨン医師】
 この研修を受けるまで私は,在韓被爆者診療協定機関で勤務している医者であるにも関わらず,原爆の被害や被爆者問題については無関心でした。しかし,HICAREの研修を通して原爆投下によってどれ程多くの人々が命を奪われ,疾病と社会的差別で苦しんでいるのか詳しく知ることができました。人類の生存を深刻に脅かしている核兵器は,地球上で存在してはならないと再び考えながら,核兵器で核兵器を抑止しようとするアメリカの核抑止政策が,非核3原則に変わることを,現在核保有国のすべてがそうなることを心から願うようになりました。

【イム・ジヒャン医師】
 広島と長崎に原子爆弾が投下され,それによって罪のない人々が死に,また苦しんだ末に死に,生き残っても辛い生活をしてきたのが事実であることを切実に感じました。韓国と日本の悲しい歴史が,もしかしたら私の思考に壁を作っていたのかも分かりません。原爆投下で日本が降参し,それで韓国が開放されたためです。しかし今回研修を受けた今,私の考えは大いに変わりました。
 あらゆる形で放射線物質が使われている現況では,罪のない人々が放射線にさらされる危険がどこにもあります。また,原子爆弾を保有している国家がその兵器を抱えて戦争を準備している現実が,私も被爆者になる可能性があると思えるようになりました。死んだ子供を抱いて立っていた女性の姿が目に浮かびます。非核,世界平和だけが答えです。
 現在広島で開かれている研究,診療システム,教育などの努力が間違いなく全世界の安全に役に立つでしょう。
 短い期間でしたが研修に参加できて光栄です。ありがとうございました。

【カン・ミンギュ医師】
 嶺南大学医療院(Yeungnam University Medical Center)は被爆者協力病院として指定されているので多くの被爆者が治療を受けています。しかし被爆者を具体的にどのように助けてあげることができるのかよく分からなかったのが,今回の研修を通して分かったような気がします。実際被爆者たちを多く診療している科の先生たちにこのような機会がもっと沢山あれば,韓国の医者もさらに原爆についてよく理解し,被爆者たちにもっと多くの関心を持って診療できると思います。
 韓国赤十字社が広報物を製作したが,協力病院の医者たちにどれ程情報が伝わっているかは疑問です。(実は私はYeungnam大病院で勤務してまだ一年ほどです。以前は被爆患者を診察する機会がありませんでした。) 私は今回の研修で初めて被爆と向き合いました。韓国の多くの医者は,被爆者が健康管理と各種手当を受けられるようにするには具体的に何をすればいいのかよくわからないと思います。ただ,患者さんから必要な書類があると言われると何となく韓国で通用する書式で作成しそうです。これに対しても広報が必要だと思います。
 今回の研修を通して日本の被爆者に対しての支援の現状,外国との交流,進行中の研究について大枠を知ることができました。特にDNA repair mechanism, biological dosimetryに対する新しい知識を得る事ができました。放射線を使って患者を治療するため,若い患者を治療する時には二世にどんな影響を与えるのかが気になっていましたが,研修を通して疑問点が解消された部分もあるし,いまだに明らかにされてない部分が多いことには少々失望もしました。しかし,時間が過ぎればその疑問点も解決されると思います。
 短い期間に多くの場所を訪問したので深い知識を得るのは難しかったです。それで広島大学や放射線影響研究所でもう一度研修を受けられる機会があることを望んでいます。